ボトックス治療とは
ボツリヌス菌により産生されたA型ボツリヌス毒素を成分とする製剤で、少量の溶解液に溶いて注射します。
異常な攣縮や緊張をしている筋肉に注射することにより、ボツリヌス毒素が神経筋接合部における神経筋伝達を阻害し、異常運動を改善するものです。
適応
片側顔面痙攣(右写真:左上)
効果:眼下のぴくつきを改善します。
眼瞼痙攣(右写真:右上)
効果:目周囲の異常筋収縮を改善します。
痙性斜頸(右写真:左下)
効果:首の傾きや、不随運動を改善します。
上肢・下肢痙縮(尖足や脳卒中後遺症)
効果:突っ張り、異常筋収縮を改善します。
上記疾患に対して保険適応が認められています。
実際
全身麻酔は必要としません。
ツベルクリン用27G(0.40mm)の細い針を用いています。
施行時間は5-20分程度です。
注意事項
・必要な範囲以外に広がるのを防ぐため、注射後数時間は注射部位をもまないで下さい。
・入浴や激しい運動など、血液の流れを増加させるような行為は控えて下さい。
・女性は注射後2回の生理が終わるまで、男性は注射後3ヶ月間、避妊をするようにして下さい。
・注射により筋力のバランスが変化し、転びやすくなることがあるため注意して下さい。
・注射後異常(吐気、発赤、けいれん、呼吸苦、飲み込みにくい)がある場合は、すぐにご連絡下さい。