医療法人社団ブレイン・コンシェルジュ
おちあい脳クリニック

 
 
 
 
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VNS治療とは

抗てんかん薬でてんかん発作が消失しない難治性てんかんで、開頭手術を行っても発作が消失する可能性が低いと予想される場合、または開頭手術後にも残ってしまった発作に対しては、迷走神経刺激療法(VNS)という開頭を行わない外科的な補助治療法があります。
迷走神経刺激療法は直径5cm弱のパルスジェネレータから、首の左側にある迷走神経に電極を巻き付け、一定の間隔で繰り返し電気刺激を送り、てんかん発作の回数を減らしたり、発作の程度を軽くします。

世界では欧米を主に、2013年までにのべ約7万人を超える人がこの装置の植込手術を受けています。
日本では、2010年7月以降、800名を超える人がこの装置の植込手術を受けており、年齢でみると1歳~70歳代まで、幅広く実施されています。(2014年8月現在)
 

海外臨床研究成績

この治療法が1988年に米国で始まってから、世界中から多くの報告がなされており、統計学的に有意のてんかん発作減少効果が確認されています。その効果は、平均すると1〜2年の治療で、発作がおよそ半分に減少するというものです。早い人は3ヵ月程度で効果がみられる場合もあります。

なお、このような効果は、すべての人に一様に出現するわけではなく、なかには劇的に効いて発作がほぼ完全に消失する人がいる一方、まったく効果がない人もいます。
 

刺激装置の植込み手術と術後経過

本治療を受けるためには、手術でパルスジェネレータとリードを体内に植え込む必要があります。
手術は通常、全身麻酔下で行われ、約2〜3時間で終わります。手術に必要な入院日数は数日です。

首の左側と、左側の脇の下(胸部)にそれぞれおよそ5cmの傷跡が残ります。ほとんどの場合、傷跡は時間とともに目立たなくなります。

治療を中止する場合は、電気刺激を止めますが、希望される場合には、手術で装置を除去することもできます。ただし癒着の状態に応じ、リードの一部は除去できない場合もあります。

・手術内容

  
 ・植込み手術の約2週間後
電気刺激を開始します。刺激が強いと副作用が出ることがありますが、これには個人差があります。
副作用を極力なくし、少しでも効果が得られるように、刺激条件の調整を行います。この操作は外来で短時間に行えますので、入院する必要はありません。